トキドキ☆パイレーツ ~海賊の雑記帳~

☆VPRO海賊団のメンバー☆ヨッチャンのブログ☆

☆Episode of Yocchan Part2☆バーテンダー修行中時代の思い出☆

☆BAR ピアニッシモ ムーンでの出来事☆

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バーテンダー修行中のオイラ

オイラの生まれ故郷、シェイクマリーンの町は、酒どころの町ということもあって、

 

たくさんのバーがある。

 

オイラは、町の学校を出ると

 

小さいころから憧れていたバーテンダーになろうと

 

町で最も古いバーで修行をはじめた。

 

バーの名前は

 

「 ピアニッシモ ムーン 」

 

店の奥の窓からは、海に浮かぶ月をも眺められるとても静かなバーだ。

 

バーを創業したオーナーは、女性で、昔は店に置いてあるアップライトピアノ

 

たまに演奏していたそうだ。

 

 

 

ある日、シンプルな黒いドレスを着たご婦人が入ってきて

 

カウンターの隅に座って

 

元気がない小さな声で注文をされた


。。。ソルティードッグ。。。

 

それから

 

1時間ぐらいだろうか

 

ソルティードッグには

 

まったく口を付けず

 

ときおり一人静かにタバコを吸っていらっしゃった

 

そのご婦人が

 

そのまま

 

ソルティードッグを

 

一口も飲まずに

 

会計をお願いされたので

 

なにかサービスの不手際があったのかなと

 

まだ修行中のオイラは、つい好奇心から

 

その理由をご婦人に聞いてみてしまった。

 

 

ご婦人は、少しうつむかれたが、すぐ顔を上げてちょっとだけ微笑んで

 

こう話してくれた。

 

ごめんなさいね。実は私、お酒がまったく飲めないの

 

このソルティードッグってお酒は

 

昨年、海で亡くなった主人が好きなお酒だったみたいなの

 

主人の友人からお酒の名前を聞いていて、どんなお酒なのか

 

一度知りたかったのよね

 

私は一滴もお酒飲めないけど

 

主人からいつもこの店のことを聞いていて

 

このバーに、一緒に行こうと何度か誘われていたんだけど

 

お酒が飲めない私を誘ってどうするのと

 

いつも、軽く断っていたの

 

今日は主人の誕生日だから、思い切って来てみたの

 

こんないいお店なら

 

もっと早く一緒に来れればよかったわ

 

思い切って飲もうともしたんだけれど

 

なんだか、主人にとっても悪い気がして結局飲めなかったの

 

 

ご婦人は

 

また少しだけ微笑んで

 

店を出ていかれた。

 

 

 

 

ここは

 

バー ジャニス

 

さまざまな人生が行きかう場所

 

強奪のプロの海賊だって踏み込めない、奪えない

 

人の心の思い出を静かに演出できる店

 

レコードの針のように、人生は回り続けます

 

ここでは

 

優しい音と優しいお酒もご用意しています

 

今宵あなたの心の音をちょっとだけ鳴らしてみるのに

 

バー ジャニスは

 

いかがでしょうか