トキドキ☆パイレーツ ~海賊の雑記帳~

☆VPRO海賊団のメンバー☆ヨッチャンのブログ☆

☆ 海賊ヨッチャン物語 その3☆

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港町シェイクマリーン。

 

この町で

 

かつて海を荒らす無法者から町を守るためにひとり立ち上がり、

 

レッドシャークス団を結成し無法者を成敗した男

 

ジャクリーン。

 

だが、その活躍を妬む町の保安部隊の

 

策略にはまり、信じていた仲間に裏切られ、レッドシャークス団は町を追放され、

 

彼らは小さな無人島でひっそりと生涯を終えた。

 

仲間に、決して町を恨むな、裏切った仲間を憎むなとの遺言を残したジャクリーン。

 

彼がこの遺言をのこした理由は、

 

彼には一人息子がいたからだ。

 

息子には、人にはずかしめられても、どんなにひどいことをされても

 

人を恨み復讐するような男になって欲しくはなかったんだ。

 

息子の名前は、ケリー。

 

今宵は

 

ジャクリーンの息子

 

ケリーの話をしよう。

 

ジャクリーンが町を追放されたときは、まだ幼く

 

母からは、父は海で漁をしている最中に嵐にあい、亡くなったと教えられていた。

 

母と共に幼くして、シェイクマリーンの町を出たケリー。

 

貨物船の運搬の仕事をしている母方の祖父のもとで育った。

 

その影響もあり、ケリーも祖父の船の仕事を継いだ。

 

とてもまじめに働き、腕っぷしも強いケリーは

 

みんなに頼られ、愛された。

 

ある日、ケリーは仕事の帰りに港の酒場でケンカに巻き込まれてしまった。

 

ケンカをしていた男が、

 

ケリーの顔を見て一瞬、驚きたじろいだ

 

「 え!!、、ジャクリーン!!? 」

 

男はその一瞬のすきを狙われ、

 

相手の男の強烈なパンチをくらい気を失った。

 

こうして

 

ケリーは、運命のイタズラなのか一人の男と知り合うことになる。

 

この気を失った男の介抱をしたケリーは、介抱してもらったお礼にと男が借りている

 

宿での夕食に招待された。

 

男はシェイクマリーン出身の漁師だった。

 

男は、レッドシャークス団の団員の息子だった。

 

男の名は、ビッキー。

 

酒場でのケンカの原因は

 

相手が、自分の父の悪口を言ったからだという。

 

彼は、自分の父がいたレッドシャークス団のことをケリーに話してくれた。

 

彼は、いま父が追放された島を探しているという

 

そのことで酒場のマスターに

 

島のことを知らないかと尋ねていたら

 

そばで聞き耳を立てていた

 

酒で酔っぱらった男に絡まれ

 

かなりひどいことを言われたそうだ。

 

ビッキーは

 

つい頭に血が上り

 

ケンカをしてしまったそうだ。

 

ケリーにシェイクマリーンの記憶はない。

 

母も祖父も生まれた町のシェイクマリーンの話をほとんどしてくれなかった。

 

ケリーは、母や祖父が海で亡くなった父のことを思い出し悲しむだろう

 

と思い自ら話題にすることもなかった。

 

ビッキーの話を詳しく聞きながら

 

ケリーは、シェイクマリーンに思いを寄せた。

 

 

ビッキーは、シェイクマリーンの古い新聞を見せてくれた。

 

その新聞には

 

自分にそっくりの顔をした男の写真が載っていた。

 

レッドシャークス団の追放が

 

裁判で決まった記事が書いてあった。

 

 

 ケリーは、瞬間、自分の父だと確信し 

 

町に激しい憎しみを覚えはじめた。 

 

ケリーは

 

ビッキーとともに、島を探すことを

 

決意し、レッドシャークス団の

 

無念を晴らすことを心に誓った。 

 

ケリーは、家に帰ると母に祖父に父のことを問い詰めた

 

そして

 

本当の父、ジャクリーンのことを聞いた。

 

母は泣きながら

 

ケリーを見つめ

 

諭した。

 

「お父さんは、町のために立派に

 

戦ったのに、

 

言われのないひどいことをされてしまった。

 

でも残していく家族のためを思い、

 

町を恨まず人を憎まず旅立った。

 

だから、あなたも

 

町を恨んではいけない。

 

決して人を憎んではいけない。

 

大事な命は、恨み事や憎しみに使っては

 

絶対にいけないのよ。」

 

 

だけども

 

一度、火がついてしまった

 

ケリーの復讐心は消えなかった。

 

 

 

海賊の島。

 

 

誰も近寄らない島。

 

 

 

その島を一心に目指し

 

ケリーとビッキーは

 

旅立った。

 

 

そして

 

 

1年の航海を経て

 

彼らは

 

念願の島にたどり着き

 

そこで

 

お互いの父たちの墓を見つけた。

 

島の西側で綺麗な夕日が一番よく見える丘だった

 

ケリーとビッキーは

 

抱き合い泣き崩れた。

  

ケリーの父の墓標には、銀色の短剣が突き刺してあった。

 

 ケリーは

 

静かに

 

父の墓標に涙を落としながら

 

その短剣を地面から

 

抜き出すと

 

あらためて

 

シェイクマリーンの町への復讐を誓った。

 

こうして

 

ケリーは

 

父の遺志、母の気持ちに背き、

 

復讐の鬼となった。

 

ビッキーとともに、仲間を集め、

 

嵐のスピードよりも、早く進む船を操り、

 

突然現れる竜巻のごとく、町を襲い、

 

海で保安部隊を見つければ、

 

容赦なく襲い、圧倒的な武力を見せつけ

 

人々に恐れられた。

 

 

 

やがて

 

シルバーソード海賊団と名乗り

 

船の船尾にはドクロの旗を立てた。

 

海の荒れ狂う波をも支配するかのごとく

 

海は彼らのものとなった。