トキドキ☆パイレーツ ~海賊の雑記帳~

☆VPRO海賊団のメンバー☆ヨッチャンのブログ☆

☆ 海賊ヨッチャン物語 その7 ☆ ~海賊の絆 山賊の掟~

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港町


シェイクマリーンの


町外れ


ラビアーナ地区。



広大な岩山と砂漠で人が住むことがないという西の土地へ

一人旅立つ少年のものがたり。

 

15歳になった時の村の掟で

 

一人、この土地へ旅だったヨーテ。

 

西の土地のどこかにいる

 

村の伝承にある

 

大精霊に出会い、

 

自分の存在する意義

 

これからの人生の導きを受けるため旅。

 

こうしてヨーテの旅の第一日目が終わった。

 

テントに横たわると

 

荷物を背負っった、肩の疲れ、足の疲れをかなり感じたが

 

こうして自分が五体満足で

 

不自由なくこれまで過ごせたこと

 

チャンパーへの深い感謝の思いが

 

こみ上げて来た。

 

はじめて感じる思いだった。

 

「チャン爺、ありがとう。」

 

ヨーテは、チャンパーのことをチャン爺と呼ぶ。

 

村の皆が、チャンパーのことをこう呼ぶので

 

自然とヨーテもこう呼んだ。

 

胸の上に手を重ねて親指の先を眺めた。

 

感謝の時は、必ず自分の身体のどこかを眺めなさい。

 

チャンパーの口癖だった。

 

その身体は、大自然の恵みにより与えられたもの。

 

血が通い、この世の精霊さまとご先祖さまの魂が永遠と脈打つもの。

 

自分の身体を眺め、感謝を唱えなさい。

 

ヨーテの瞳の前にチャンパーの笑顔が浮かび、チャンパーの言葉が

 

だんだんと優しい音に変わっていった。

 

優しい音は

 

ときに、時を刻む振り子時計の音のように聞こえ

 

ときに、寄せては返す波の音のように聞こえ


身体の隅々に癒しと温かさを与えた。

 

ヨーテは

 

深い感謝を思いながら

 

心地よい眠りへと入った。

 

 

2日目、朝の瞑想を終えたヨーテは、

 

乾燥した鹿の肉をゆっくりと噛みしめ、ゆっくりと喉に

 

飲み込むと同時に、一晩を過ごした大地に両手を当て、

 

一晩の感謝を告げと旅の安全を祈願した。

 

身支度を終えて、皮の靴紐を結びなおすと、

 

ヨーテは目を閉じ両手を空に掲げて、

 

こうべを垂れた。

 

一日のはじめの一歩を踏み出すときが、

 

一日のうちで、一番肝心な時だ。

 

目を閉じて、風の位置を感じる。

 

風の位置とは自分がいる場所の風だけのことだけではない。

 

四方八方に感覚を研ぎ澄ませて


風の音を感じ、


風のにおいを感じ、


風の流れを感じ

 

その日の風を直感で読み取ることだ。

 

幼いころから、住んでいた村の森の中で

 

育ての親、チャンパー

 

風の位置を読み取ることを

 

毎日のように教えられ、

 

直感力を磨いてきた。

 

風の吹く方向と


におい、


流れから


北東の方角から


南西の方角へ


向かっているのを


たしかに感じとった。

 

岩山の隙間に生えた

 

草木の揺れる音を確かめた。


 

大精霊は、どんな形で現れるのかは

 

わからない。

 

一日のはじめの一歩を踏み出すとき

 

その日の風の位置を

 

予測することによって

 

大精霊さまと出会うチャンスが与えられる。

 

ヨーテは、今日の風の位置から

 

ヨーテの進むべき道を決断した。

 

南西の方角は


遠くに砂漠地帯が見えた。

 

その手前には川が見える。

 

砂漠の手前には、川が流れているので

 

水の補給には困らないとチャンパーからも教えられていた。

 

まずは川を目指してみようと心に決めたのだった。

 

夕方か、明日ごろには砂漠地帯の付近で過ごすかもしれないな。

 

チャンパーは、竹の水筒に入った水を飲み最初の一歩を


南西の方角へと


踏み出した。