トキドキ☆パイレーツ ~海賊の雑記帳~

☆VPRO海賊団のメンバー☆ヨッチャンのブログ☆

☆海賊ヨッチャン物語 その10☆

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「 再起動する心 」


少年ヨーテは、旅に出る前の晩に聞いた

 

育ての親チャンパーの言葉を思い出していた。

 

「もしお前が、窮地に立った時には、

 

迷わずこの言葉を唱えよ!!

 

たとえ

 

絶望に感じても

 

それは、おまえの今の心が思うだけで

 

 

これからのお前の心は、

 

変化するものだ

 

 精霊さまのお力が、必ずやお前を助けるであろう

 

ただし、使う相手を憎んではいけない

 

お前が憎しみを抱けば、

 

相手の悪の心を増殖してしまうだけなのだ

 

 呼吸を整え

 

無心になれ、ヨーテよ!!

 

全知全能の精霊様

 

 

お前を守る

 

 

 

精霊さまに、お任せをするのだ」

 

 

 

 

 

ヨーテは、

 

呼吸をすることを忘れていた口を

 

 

ゆっくりと息を吐き始めた。

 

 

 

「 おい!! きこえねえのか!!

 

さっさとよこしやがれ 」

 

 

少年は、男の声にかまわず目を閉じて息をゆっくりと吐きだした。

 

そして、静かに呪文を唱え始めた。

 

「 ビルモータ ル サ エスタリーラ フーディーガー スタラード 」

 

 

男は、口を開け

 

 

苦しみ悶えはじめた。

 

ヨーテが首に巻いている赤い守り袋が、

 

一段と熱を帯び光を放ち始めた。

 

 

 

 

 

海賊ヨッチャンの地球旅行記

海賊ヨッチャンの地球旅行記

皆さんごきげんよう
ご無沙汰してるヨッチャンだ。

諸事情のため、しばらくはUTAGEのステージには出られないが、オイラが旅するこの地球の国々を宇宙の同志に紹介しようと思う。
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オイラがいま旅をしているNIPPONという国には、NAGASAKIというおもしろい町がある、中でもこの国の人種はハートマークが大好きらしい。
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石をハート💓の形に削り、ISIGAKIという石で固めた壁にはめ込み観光で訪れた地球人が記念写真をしていく現象を見たぞ。f:id:akamejina1971:20181027195756j:plain

Nagasakiには、たくさんの教会という、神様に祈りを捧げる場所もたくさんあり、いい景色がたくさん見れたぞ

宇宙のみんなも
ぜひ地球に来てくれよな。

以上

久々の海賊ヨッチャンでしたf:id:akamejina1971:20181027195549j:plain

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VPRO海賊団 🌟UTAGEダイアリー  佐世保🌟農福マルシェ 28 January 2018

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皆さんこんにちは😃✋


今年初となる

 

☆UTAGE☆ 

 

を開催してきたぞーー!!

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2018年も

 

VPRO海賊団をよろしくね🎵

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 🌟🌟🌟🌟🌟

 

 

 さあ

キャプテン・コフィ!!

 

 

その愉快な海賊たちよ!!

 

今年も元気に歌って踊って

 

いろんなお宝をGETするのだ‼

 

 

 

 

 VPRO海賊団のマスコット

 

お宝インフォメーションロボット」

 

”ジョウホゥ”から

 

 

昨年、

 

素敵なお宝情報があった

 

長崎県佐世保の町へ早速、出航してきたぜ♪。

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まずは今宵の

UTAGEの曲を紹介しよう🎵

 

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① バタフライ 
デジモンアドベンチャー
🌟熱い歌詞の魂をみんなに届けるぜ!!🎵
さあ
無限大な夢を手に羽ばたこう🎵

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② CHA-LA HEAD-CHA-LA (ドラゴンボール
🌟たくさんの夢を詰め込むことができた、元気玉。みんなパワーをありがとう🎵🎵

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③ 金曜日のおはよう 
🌟ルリやさしい歌声✨を会場に🎵
 💖夢をがんばらなくっちゃね☆

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④  星間飛行
   (マクロスF
🌟シオンあったかーいハートは会場に届いたかな!!流星に乗せて💖キラッと光輝かせよう🎵

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⑤ ようこそジャパリパーク
  (けものフレンズ
ついに
満を持しての
vproのけものたち❓が初登場!?☝ようこその世界へ!!
 
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⑥ 残酷な天使のテーゼ 
  (エヴァンゲリオン

🌟歌は短く儚くとも、は長く続けていけ!!

🎵 

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⑦ skill
🌟さあNAKAMA たちよ
を唄う準備はいいかい!!
さあ扉はいま開かれた!!
俺たちとともに
こぶしを空に、歌声を大宇宙に響き渡らせよう!!!

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⑧ 千本桜
🌟ダンスにこめられた夢の想い、華麗に舞って花となれ
 

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⑨ OK! 
ポケットモンスター
🌟、おまたせウェンディ🙋😊
 🌟☝いつもスマイルエネルギー全開!!を超えて
銀河を越えて
 

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⑩ 世界が終わるまでは 
 (スラムダンク
🌟
歌い上げるキャプテンコフィの魂の歌声
たとえ世界が終わっても、夢は終わらない、あきらめない🎵 

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 NAKAMA たちのおかげで、今宵も宝箱を開ける🌟🔑鍵🌟のエネルギーも

満タンになったよ🎵

☆今回のUTAGEによりGET!!したお宝☆は

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 🌟🌟🌟🌟🌟🌟


 🍀☆ こま☆🍀

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🍀大和の味カレー(佐世保のスナック菓子)

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 🌟🌟🌟🌟🌟🌟

 

またまた

佐世保にちなんだ

素敵なお宝だったぜ☝

コマは佐世保では伝統工芸品なんだ🎵町のあちこちで、コマのオブジェを見ることが出来るよ🎵 

UTAGE の記念にメンバーのサインを入れて、お客さまへ

🎁プレゼントしたきたよ☝

 
⑪ ウィーアー 
  (ワンピース)
 
さあさあ、素敵なお宝をGet ❗ できたことだし
NAKAMA たち😊と
みんなで歌えるアニソンで最後は楽しんじゃったよ😃🎵🎵

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佐世保の皆さんありがとう🎵

🍀と、ここで、会場からアンコールの声が🎵🎵

ありがとう🎵

🌟😃NAKAMA たちのあつ~いアンコールにこたえて🌟
 
🎵
 
アンコールナンバー
 
前前前世 (映画 君の名は)たとえ夢の世界だとしても、
今、一瞬を君と楽しむ🎵🎵
歌は永遠に続く🎵夢の道はいつまでも続く 🎵🎵

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時折雨も降る中、寒い中、ご来場してくださった皆さん、海賊団への、拍手、声援、

 レスポンス、たくさんの笑顔と元気をありがとう! 

またまた、遠く離れた福岡の地から

来てくださいました

NAKAMA たち、ほんと寒いなかありがとう🎵

また

会場には、これなくとも、ツイッター等で応援メッセージをくれたNAKAMA たちにも感謝😌🍀


今度は、ぜひ一緒にUTAGE を楽しもう🎵🎵🎵

 

 🌟OMAKE🎵🌟

 UTAGE 会場の隣の島瀬美術センターでは、昨年


佐世保のUTAGE でお世話になった


ゆーじおじさん&へん子さんと


素敵なお仲間さんたちが手掛けた


🎈バルーンアートの展示や実演、


バルーンアート教室もあってたよ🎵


📷記念にパチリ‼

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ゆーじおじさん、へん子さん、

素敵なお仲間さまがた、

展示会、

たいへんお疲れさまでした😆🎵🎵



また

お会いできることを

メンバー一同楽しみに💪がんばります🎵


☆VPRO海賊団の次のUTAGE情報は決まり次第お伝えします☆

 

 

よかったら君もUTAGEに参加して

 

俺たちが、素敵なお宝をGETするところを楽しく見届けてくれ♪

 

VPRO海賊団ホームページはこちらから!!☆

⬇よかったら名前をクリックしてね😃

VPRO海賊団|コスプレ・エアー・パフォーマンス集団

 

 

みんなと、UTAGEを楽しめる日を楽しみにしています!!

 

アニソンライブパフォーマンス

 

で笑顔と元気を届ける

VPRO海賊団をこれからもよろしくね!!


 

☆海賊ヨッチャン物語 その9☆

 

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「 砂漠の隠者 」

 

少年が一人、荒野の中を黙々と歩いていた。

 

そして

 

その様子を獲物を仕留める猛禽類のような鋭い瞳でじっと見つめる男がいた。

 

巨大な船の舳先のようにそびえ立つ

 

高い崖の上に男はいた。

 

赤黒い双眼鏡を持つ手は微動だにしない。

 

細い枯れ枝のような痩身の体で

 

背筋をぴんと伸ばし

 

地べたにあぐらをかいていた。

 

傍らには、かなり使い込み色褪せた

 

大きな黒いリュックが無造作に置いてあり

 

リュックの上部には格子柄模様の丸めた毛布が

縛り付けてあった。

 

白い煙草をくわえ、時折口元からでる煙

 

は、

 

のろしを上げた後の燃え残りのような印象も与える。

 

背筋を伸ばし直しながら

 

くわえていた煙草の先を親指と人差し指の先で 

 

ひょいと、つまみ、

 

眼下の砂漠に向けて、火の粉を帯びた灰をまき散らした。

 

肺深く吸い込んでいた煙を

 

まるで口笛を吹くかのように空を仰ぎ、細くゆっくりと吐き出した。

 

生まれた薄白い煙は、崖の下から吹き上げる風にまたたくまに消えて

 

空は薄汚れることなく元通りになった。

 

男は、覗き込んだ双眼鏡を覗き込みながらちっと、舌打ちをした。

 

「、、、また村に捨てられちまったか、、、」

 

(まったく時代錯誤してやがる)

 

男は、首に垂らした、錆びた土埃だらけの大きなゴーグルを

 

両手で顔にあて、キュッと調節ベルトを絞ると

 

やれやれといった感じで

 

めんどくさそうに前かがみになると

 

、たくさんのひも状の飾りが巻きつく

 

ズボンとともに腰をゆっくりと上げた。

 

左の腰の銀に光る短刀を収めた鞘が

 

それに合わせて揺れる。

 

男は、片手で、ひょいとリュックを

 

肩に担ぎ、リュックに両腕を通し終わらないうちに

 

かがむような態勢で、素早く走り出した。

 

それまでのおっくうな立ち上がり方、しぐさとは、

 

反対に岩だらけの道なき下り坂を機敏に走り始めた。

 

崖の上から、少年が歩いている道までは

 

 

2キロほどは、あったが、

 

男はかもしかのように右へ左へと自在に動いた。

 

時に

 

岩と岩をまたいで飛びながら

 

坂を下り

 

時に

 

木の枝を使ってしなやかに

 

軽やかに

 

坂を下った。

 

土埃を上げずに坂を下って行く様は

 

大きなリュックが

 

崖から、ひらひらと舞い降りていく様でもあった。

 

 

男は、風のように少年の背後に迫り

 

少年を追い抜くと振り返りざまに、腰の短刀を抜き少年の喉元寸前に

 

刃を向けた。

 

 

「やあ、この世で一番、

 

あわれな少年よ、

 

お前は

 

これからどうせ死ぬ運命だ。

 

お前の持っている食料、飲み物

 

を俺様に全部よこしやがれ。」

 

 

少年は、男にいきなり、何のことをを言われたのか

 

そして、この広大な荒れた土地に人がいたことに

 

一瞬のなつかしさととてつもない恐怖が

 

入り混じって

 

自分に今起きていることに

 

すぐ理解ができなかった。

 

ただただ

 

鋭い刃先が自分の首もと寸前にあることに

 

息をのむことしかできなかった。

 

目の前にいる男が夢にさえ思えた。

 

 

男は、にやけ顔で

 

さらに

 

少年へと迫った。

 

「さあ、すべてを俺様に捧げろ!!」

 

男は、口元を緩ませ薄汚い歯を見せながら、臭い息を吐き

 

にやけ続けた。

 

おびえる少年の目に

 

男は絶対の勝利を確信したのだが

 

少年が首に下げている赤い守り袋が

 

かすかに熱を帯び

 

赤く光を放ち出したことに

 

男はまったく気づいていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

☆ 海賊ヨッチャン物語 その8 ☆

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【ルビアの想い】

自分自身の絵を描いてはいけない村の掟

絵の中で自分の魂が永遠にさまよって

しまうとの古い言い伝え。

ルビアはそれを知っていながら

自分自身の絵を描いて

ヨーテに渡した。

ルビアは

15になるのがとても怖かった。

なんにも知らない西の土地なんか絶対いきたくなかった。

正直、名前なんてどうでもよかったし、ルビアという名前がとても気に入っていた

できることなら

ヨーテと一緒に西の土地へ旅に出たかった。

ずっと、永遠にヨーテのそばにいたかった。
人間には、必ず死が訪れる。

ヨーテと同じ時間に一緒に死なないかぎり
ヨーテとは別れることになる。
自分がヨーテと別れることは耐えられない。

自分自身の絵を描いて、永遠に魂がさまようのならば

いっそのことお守りになってでも

ずっとヨーテのそばにいることが出来ることをルビアは決意したのだった。

ルビアは人目を忍んで

月が光りを照らす日を選び

湖の湖面に自分の顔を写し、

そして、ときに自分の身体を写し

一心不乱に絵を描いた。

夜中に一人、

湖へ向かう暗い道を歩くときは

不安と村の掟を破るという気持ちが

たびたび襲ってきていたのだが、

今は、ヨーテを一心に想う気持ちが
ルビアの心を落ち着かせていた。

ヨーテと魂を繋ぎたい

ずっと一緒にいたい。

激しい想いはルビアの描く絵に入っていった。

掟のまだなかった頃

いにしえ人によれば

猟や漁で

これから会えなくなる人に

自分の絵を渡して、万が一なにかあった時の場合に備え
身変わりにと自分を捧げる想いを込めたという。

いまルビアは

お守りのためというより

ずっと一緒にいたいという強い想いのほうが

勝っていた。

湖面に写る月の光りが

闇夜を消し去るように
輝き出し始めた。

ルビアを包んでいた、

オレンジ色に輝く

魂の光は

その月の光と一体となっていった。

絵にルビアの魂が宿った瞬間だった。

ルビアは

深く息を吸い込み

完成した絵に

息をそっと吹き掛けた。    

ルビアの絵は

それに応じるかのように
青い光を放ちながら

ふんわりとした熱をおびた。

ルビアはふっと力が抜け

前のめりに倒れそうになったが

どうにかそれに堪えた。

胸の奥で、

隠し事への罪の意識が

芽生え

そして

これまでこらえ続けてきた

村の掟への想いが

一気にこみ上げ

瞳の光を涙で溢れさせた。

ほほにこぼした涙も

そっと光を放った。

☆ 海賊ヨッチャン物語 その7 ☆ ~海賊の絆 山賊の掟~

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港町


シェイクマリーンの


町外れ


ラビアーナ地区。



広大な岩山と砂漠で人が住むことがないという西の土地へ

一人旅立つ少年のものがたり。

 

15歳になった時の村の掟で

 

一人、この土地へ旅だったヨーテ。

 

西の土地のどこかにいる

 

村の伝承にある

 

大精霊に出会い、

 

自分の存在する意義

 

これからの人生の導きを受けるため旅。

 

こうしてヨーテの旅の第一日目が終わった。

 

テントに横たわると

 

荷物を背負っった、肩の疲れ、足の疲れをかなり感じたが

 

こうして自分が五体満足で

 

不自由なくこれまで過ごせたこと

 

チャンパーへの深い感謝の思いが

 

こみ上げて来た。

 

はじめて感じる思いだった。

 

「チャン爺、ありがとう。」

 

ヨーテは、チャンパーのことをチャン爺と呼ぶ。

 

村の皆が、チャンパーのことをこう呼ぶので

 

自然とヨーテもこう呼んだ。

 

胸の上に手を重ねて親指の先を眺めた。

 

感謝の時は、必ず自分の身体のどこかを眺めなさい。

 

チャンパーの口癖だった。

 

その身体は、大自然の恵みにより与えられたもの。

 

血が通い、この世の精霊さまとご先祖さまの魂が永遠と脈打つもの。

 

自分の身体を眺め、感謝を唱えなさい。

 

ヨーテの瞳の前にチャンパーの笑顔が浮かび、チャンパーの言葉が

 

だんだんと優しい音に変わっていった。

 

優しい音は

 

ときに、時を刻む振り子時計の音のように聞こえ

 

ときに、寄せては返す波の音のように聞こえ


身体の隅々に癒しと温かさを与えた。

 

ヨーテは

 

深い感謝を思いながら

 

心地よい眠りへと入った。

 

 

2日目、朝の瞑想を終えたヨーテは、

 

乾燥した鹿の肉をゆっくりと噛みしめ、ゆっくりと喉に

 

飲み込むと同時に、一晩を過ごした大地に両手を当て、

 

一晩の感謝を告げと旅の安全を祈願した。

 

身支度を終えて、皮の靴紐を結びなおすと、

 

ヨーテは目を閉じ両手を空に掲げて、

 

こうべを垂れた。

 

一日のはじめの一歩を踏み出すときが、

 

一日のうちで、一番肝心な時だ。

 

目を閉じて、風の位置を感じる。

 

風の位置とは自分がいる場所の風だけのことだけではない。

 

四方八方に感覚を研ぎ澄ませて


風の音を感じ、


風のにおいを感じ、


風の流れを感じ

 

その日の風を直感で読み取ることだ。

 

幼いころから、住んでいた村の森の中で

 

育ての親、チャンパー

 

風の位置を読み取ることを

 

毎日のように教えられ、

 

直感力を磨いてきた。

 

風の吹く方向と


におい、


流れから


北東の方角から


南西の方角へ


向かっているのを


たしかに感じとった。

 

岩山の隙間に生えた

 

草木の揺れる音を確かめた。


 

大精霊は、どんな形で現れるのかは

 

わからない。

 

一日のはじめの一歩を踏み出すとき

 

その日の風の位置を

 

予測することによって

 

大精霊さまと出会うチャンスが与えられる。

 

ヨーテは、今日の風の位置から

 

ヨーテの進むべき道を決断した。

 

南西の方角は


遠くに砂漠地帯が見えた。

 

その手前には川が見える。

 

砂漠の手前には、川が流れているので

 

水の補給には困らないとチャンパーからも教えられていた。

 

まずは川を目指してみようと心に決めたのだった。

 

夕方か、明日ごろには砂漠地帯の付近で過ごすかもしれないな。

 

チャンパーは、竹の水筒に入った水を飲み最初の一歩を


南西の方角へと


踏み出した。

 

 

 

 

☆ 海賊ヨッチャン物語 その6 ☆

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ヨーテは、

 

少し泣きつかれてしまったが

 

瞑想についての

 

チャンパーからの言葉を

 

思い返した。

 

心乱れた時こそ、一人

 

ゆったりとした時間をつくり

 

瞑想を行うのだと。

 

「 夜は精霊の時間なり

 

一日に感謝し身体を休め、整え、

 

魂を

 

そして身体を

 

 大自然と一体となして静かに過ごすこと。

 

 瞑想中の呼吸も

 

ただ息を吐いて息を吸うだけではない

 

この世にあるすべてのモノに宿る精霊さまの

 

お力を感じ、感謝をしながら、

 

呼吸をする力で自分の心の乱れを整えていくのじゃ。」

 

 ヨーテは、両手を空にかかげ、

 

静かに目を閉じ

 

ゆっくりと息を吐きながら

 

心の中で唱えた。

 

 

精霊のみなさま

 

今日一日を送れたこと

 

肉体の無事をそして魂の無事を感謝します

 

この聖なる夜に私の身体と魂を捧げます。

 

どうぞ

 

お気のままに

 

どうぞ

 

なすがままに

 

あらゆる精霊さまに捧げます。

 

 

 

ゆっくりと息を吸いながら

 

ヨーテは

 

地面から

 

毛布のように暖かで

 

柔らかな力の流れを感じ取った。

 

 

心地よい風が、ヨーテに寄り添った。

 

 

 ふと、子供のころ、


チャンパーから良く聴かされた


子守歌を

 

思い出していた。

 

☆ ☆ ☆

 

西から

風使いがやってくる

光りの空持ってやってくる

みなの心を集めたまえ

みなの祈りを集めたまえ

ヒューロー

ヒュロロロ

ヒューロロロ



東へ

風使いが やってくる

光りの海持てやってくる

みなののろしを捧げたまえ

みなの祈りを捧げたまえ

 

ヒューロー

ヒュロロロ

ヒューロロロ

 

ヒューロー

ヒュロロロ

ヒューロロロ



☆ ☆ ☆

 

精霊さまは

 

どんなときも

 

いつでも

 

必ず

 

お前を守ってくださる

 

月が

 

星が

 

 太陽が

 

いつでも必ずあるように

 

いつでもお前を見守ってくださる

 

ヨーテは、

 

目を開けると

 

たくさんの光が、迎えてくれた。

 

どこまでもどこまでも広がる星たちの光。

 

以前ルビアが、夜空の絵を描きながら

 

家族との思い出話を語ってくれたことを

 

思い出した。

 

「この星たちの光のおかげで

 

明日を迎える勇気が湧いてくるのよ。

 

どんなに小さな光でも、こんなにたくさん集まれば

 

迷える人たちを

 

自身をなくした人たちを

 

照らし導くことができる

 

わたしは

 

この

 

おばあちゃんの言葉を

 

夜空を見るたび

 

思うの

 

きっとどんな試練でも乗り越えられる勇気を与えてくれる

 

夜空は、精霊さまからのプレゼントでもあるのよ」

 

ヨーテは

 

次第に

 

落ち着きを取り戻していた。

 

 

星たちの瞬きが

 

ヨーテの

 

手のひらに

 

集まり

 

風が地面から空に優しく舞いながら

 

その光を空へと返す。

 

やがて

 

心地よい

 

光の渦たちが

 

ヨーテを包んだ。